89_The Woman in the Dunes_砂(すな)の女(おんな)

日本は秋になって、少しずつ涼しくなってきました。「●●の秋」という言い方をよくするのですが、聞いたことがありますか?例えば「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」など。その中に、「読書の秋」というものもあります。

そこで今日は、最近読んだ日本の古い本の感想を話そうと思います。安部公房という作家の「砂の女」という本です。あらすじはこんな感じ。

ある日、主人公の男は、休暇を利用して新種の虫を採集するために海辺にある砂丘の村に行きました。滞在先を探していた主人公は、老人に、部落の中のある民家を勧められます。その家には女が一人住んでいて、家の中から砂を掻き出す作業に追われているようでした。一夜明けると、前の晩に使った縄梯子が村人によって取り外され、男は穴の下の家に閉じ込められてしまいます。男は、女と砂を掻きだす生活をしながら、さまざまな方法で脱出しようとしますが…

これからネタバレして感想を話すので、それがいやな人は、ここで聞くのをやめてくださいね。…いいですか?では、感想をお話します。この男は最終的に、その村から出ることを諦めます。「この砂の家から出る方法を考えるのは、明日でもいい」。と考えるんです。

これを読んで私が一番感じたのは、「自分を変えることができるのは自分だけで、環境が変わっても行動しない人は行動しない」ということ。主人公の男も、最初は村から脱出しようと試行錯誤していたんです。にもかかわらず、最終的には村に適応することを選んでしまう。きっと、その方が楽だから、ですね。女の方も、かつては逃げようとしていたけど、今の自分を正当化して、砂の村に順応したのかな、と思いました。

私の読み方は教訓的すぎるかもしれませんね。日本人でも読むのに時間がかかるので、少し難しいかもしれませんが、おすすめです。もし読んだ人がいたら、ぜひ感想を教えてください。

日本(にほん)は秋(あき)になって、少しずつ(すこしずつ)涼しく(すずしく)なってきました。「●●の秋(あき)」という言い方(いいかた)をよくするのですが、聞い(きい)たことがありますか?例えば(たとえば)「食欲(しょくよく)の秋(あき)」「スポーツの秋(あき)」「芸術(げいじゅつ)の秋(あき)」など。その中(なか)に、「読書(どくしょ)の秋(あき)」というものもあります。

そこで今日(きょう)は、最近(さいきん)読ん(よん)だ日本(にほん)の古い(ふるい)本(ほん)の感想(かんそう)を話そ(はなそ)うと思い(おもい)ます。安部(あべ)公房(こうぼう)という作家(さっか)の「砂の女(すなのおんな)」という本(ほん)で。あらすじはこんな感じ(かんじ)。

ある日(あるひ)、主人公(しゅじんこう)の男(おとこ)は、休暇(きゅうか)を利用(りよう)して新種(しんしゅ)の虫(むし)を採集(さいしゅう)するために海辺(うみべ)にある砂丘(さきゅう)の村(むら)に行き(いき)ました。滞在(たいざい)先(さき)を探し(さがし)ていた主人公(しゅじんこう)は、老人(ろうじん)に、部落(ぶらく)の中(なか)のある民家(みんか)を勧め(すすめ)られます。その家(いえ)には女(おんな)が一人(ひとり)住ん(すん)でいて、家(いえ)の中(なか)から砂(すな)を掻き出す(かきだす)作業(さぎょう)に追わ(おわ)れているようでした。一夜(いちや)明ける(あける)と、前(まえ)の晩(ばん)に使っ(つかっ)た縄梯子(なわばしご)が村人(むらびと)によって取り外さ(とりはずさ)れ、男(おとこ)は穴(あな)の下(した)の家(いえ)に閉じ込め(とじこめ)られてしまいます。男(おとこ)は、女(おんな)と砂(すな)を掻きだす(かきだす)生活(せいかつ)をしながら、さまざまな方法(ほうほう)で脱出(だっしゅつ)しようとしますが…

これからネタバレして感想(かんそう)を話す(はなす)ので、それがいやな人(ひと)は、ここで聞く(きく)のをやめてくださいね。…いいですか?では、感想(かんそう)をお話し(はなし)ます。この男(おとこ)は最終的(さいしゅうてき)に、その村(むら)から出る(でる)ことを諦め(あきらめ)ます。「この砂(すな)の家(いえ)から出る(でる)方法(ほうほう)を考える(かんがえる)のは、明日(あした)でもいい」。と考える(かんがえる)んです。

これを読ん(よん)で私(わたし)が一番(いちばん)感じ(かんじ)たのは、「自分(じぶん)を変える(かえる)ことができるのは自分(じぶん)だけで、環境(かんきょう)が変わっ(かわっ)ても行動(こうどう)しない人(ひと)は行動(こうどう)しない」ということ。主人公(しゅじんこう)の男(おとこ)も、最初(さいしょ)は村(むら)から脱出(だっしゅつ)しようと試行錯誤(しこうさくご)していたんです。にもかかわらず、最終的(さいしゅうてき)には村(むら)に適応(てきおう)することを選ん(えらん)でしまう。きっと、その方(ほう)が楽(らく)だから、ですね。女(おんな)の方(ほう)も、かつては逃げよ(にげよ)うとしていたけど、今(いま)の自分(じぶん)を正当化(せいとうか)して、砂(すな)の村(むら)に順応(じゅんのう)したのかな、と思い(おもい)ました。

私(わたし)の読み方(よみかた)は教訓的(きょうくんてき)すぎるかもしれませんね。日本人(にほんじん)でも読む(よむ)のに時間(じかん)がかかるので、少し(すこし)難しい(むずかしい)かもしれませんが、おすすめです。もし読ん(よん)だ人(ひと)がいたら、ぜひ感想(かんそう)を教え(おしえ)てください。

[English]

Autumn has arrived in Japan, and the weather is gradually getting cooler. "Autumn is the season for this or that'' is a common phrase. Have you heard it? For example, "Autumn is the season for appetite," "The season for sports," "The season for art," and so on. One of them is, "Autumn is the season for reading."

So today, I'd like to share my thoughts about an old Japanese book that I read recently. The title is The Woman in the Dunes written by Abe Kobo. The story is as follows:

One day, a man, who is the main character, takes leave from work and goes to a village in the dunes by the sea to collect a new species of insect. He is looking for a place to stay and is advised by an old man to stay in a private home in a subsection of the village. The house is built in a pit and one has to use a rope ladder to get to it. A woman lives alone in the house, and she seems to be busy scraping sand out of the house when he arrives. One night, the villagers removed the rope ladder and the man was trapped in the house in the pit. While scraping out sand and living together with the woman, the man tries to escape from the house in various ways...

I'm going to talk now about my impressions while giving important parts of the story away, so please stop listening if you don't want to hear any spoilers. ...Okay? Well, let me share my impressions. Ultimately, the man gives up on escaping from the village. He thinks, "I can figure out how to get out of this sand house tomorrow, not today."

My biggest impression when I read this was that only you can change yourself. Those who do not take action, will not take action even if their environment changes. The man tries to escape from the village through trial and error in the beginning. Even so, he eventually chooses to adapt to the village. I guess it's because it's easier, isn't it? I wondered if the woman also tried to escape in the past, but she too gave up and justified herself by adapting to the village. Maybe the way I’ve read the book is too didactic.

Although it may be a little difficult, since it takes a long time to read, even for Japanese, I recommend this book. If anyone has read it, please let me know what you think.

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