『マーケティングとは「組織革命」である。』①森岡毅
USJをV字回復させた、森岡毅さんが書いたビジネス書。どうすればマーケティングの仕組みが機能し、生き残る会社を作ることができるのか?の具体的な方法とその理由が書いてあります。
◆こんな人におすすめ
・マーケティングに関わっている人
・会社を経営している人
・チームのマネジメントをしている人
・社内で上司に自分の提案を通したい人
など
今日は、第一部「人の力を活かす組織づくりの本質」について、10分で理解できるように書いていきます。
第一部「人の力を活かす組織づくりの本質」
第一章「USJを回復に導いた森岡メソッド」
1.会社を支えるのは4つの機能
①マーケティング機能
②ファイナンス機能
③生産マネジメント機能
④組織マネジメント機能
2.ボトルネックを解消する組織づくりとは
→ある目的に対して、一部だけを見て問題を認識するのではなく、関連する一連の機能の鎖の中で問題を見つける
第二章「マーケティング革命=組織革命」
1.会社が成長できなくなる理由
→変わり続ける外部環境の変化に適応できなくなるから
・企業の成長に即して、経営しやすい大きさに適した社内組織の構造改革ができると、生き残る確率が上がる
2.マーケドリブンの会社は生存確率が高い
→マーケドリブンとは:市場構造の変化の核である「プレファレンス=消費者のブランド選択における相対的な好意度」をひたすらモニタリングできること
3.売れるものをつくる組織づくりの本質
→マーケティング戦略のもとで商品開発を機能させること
※マーケ部門と商品開発部門を切り離している組織が多いが、それでは機能しない
⇒だから、マーケティングとは組織革命である
第三章「組織づくりとは人体である」
1.人体の構造の魅力
①感知→判断→行動のサイクルが超早い
②危機のときに脳を介さず判断→行動できる脊髄反射
③各部位が「上限関係」ではなく「共依存関係=支え合って」人体として機能している
2.神経回路=コミュニケーション不全を起こす3つの要因
上下関係があると、支配関係を生みやすく活発な議論をおこしにくい
①年齢差の呪い=激しい上下関係の縛り
②約割差の呪い=役割の違いを上下の違いだと認識する
③性別差の呪い=性別の違いを上下の違いだと認識する
◆呪いにかかっているかを確かめる2つの質問
①先輩、上司、異性に対して、必要なときに本当のことをはっきり言えるか?
②自分にとって耳の痛い話を聞かせてもらったことがあるか?
⇒ない場合は、コミュニケーション不全を起こしている可能性が高い
第四章「人間の本質とは自己保存である」
1.人はなぜ緊張するのか?
緊張のあとにおとずれる(であろう)環境の変化を拒むため。緊張とは、脳が体にかける本能的なブレーキ
2.行動パターンの原点は個人VS組織
→組織はその組織の保存のために存在しているが、その組織を構成する個人は、個人の存続のために存在している
⇒組織と個人は、本来利害の相反関係にある
⇒個人の自己保存の本能に即した組織構造にすればよい
3.自己保存の本能を逆手に取る方法
→アメとムチ
人間は変化を嫌い、自己保存の本能がある。だから、その本能をうまく使う。
アメ:組織が望む行動をすれば自己保存できる
ムチ:できなければ淘汰される
これらを信じさせることができれば、行動を変えることができる
4.組織変革の3つの大原則
①マーケシステム
→売上向上のために人々が好ましい行動を取る確率をあげる
②意思決定システム
→組織の重要判断のために人々が好ましい行動を取る確率を上げる
③評価報酬システム
会社が望む方向へ人々を動機づける確率を上げる
◆集団が変化を察知する割合:13→34→51→ゴール(%)
この指標を参考にするとよい
第五章「社員の行動を変える3つの組織改革」
1.意思決定システム
→会議によって意思決定を見える化する
例:アクションサマリを出す
①会議の目的
②結論
③結論に至るまでの議論の主な理由
④ネクストアクションとその担当者
2.評価システム
相対評価システム
①評価基準の設定
シンプルかつ、行動に落とせるレベルで具体的に
②評価プールと評価区分の設定
一定数の人を同じグループとみなし、グループ内の評価の区分と割合を決める
③定期的な期待値の目合わせ
最初に設定した目標が、ライバルと比べて適当か確認
④評価会議とトラッキング
このとき、同じ評価プールの中でできる限りフェアになるように注意する
⑤評価に基づく待遇変更の厳格な実施
昇給降給、昇格降格によるPay for Performanceの実現
3.報酬システム
意味のある差=頑張れば自己保存できる、と思える程度の差
※少なすぎ、多すぎは禁物