28_Should all drugs be a criminal offence in Japan?_薬物使用者はみんな犯罪者?
[English and Hiragana Below]
今日は少しセンシティブな話題について。今月の頭に、日本人の俳優が、大麻(マリファナ)を持っていたために逮捕されて、とても大きなニュースになりました。日本は薬物への対応がとても厳しいんです。今回は、世界と日本の、薬物に対する対応の違いについて、話そうと思います。
ほとんどの日本人は、「ドラッグは、種類にかかわらず全部とても悪いものだ。絶対に使ってはいけない」と思っていると思います。義務教育で、薬物に関する授業を受けたとき、そんなふうに教えられてきたからです。
また、日本の警察の対応もとても厳しいです。例えば、今回のように俳優や有名人が逮捕されたとき。マスコミではとても大きく取り上げられるし、その刑罰は、詐欺や強盗と同じくらい重いんです。このように、日本では薬物使用者を「犯罪者」として捉えていることがわかります。
それに対して海外、特にヨーロッパでは、薬物使用者を「患者」として考え、治療を提供する国が少なくないようです。例えば、ポルトガルでは、ドラッグを持っている人を法律で罰することをやめました。薬物使用者が一気に増えるかと思いきや、結果はその逆でした。ヘロインが蔓延していて、注射器の使い回しによるHIV患者が急増していたポルトガルでは、その政策から10年で、なんとその患者数が1/10になったんだそう。
データを見ると、ヨーロッパでは、刑事罰で薬物使用を抑え込もうとするよりも、治療を促すほうが、再犯率や失業率、HIVなどの感染症への罹患率が低くなるようです。もしかしたら、日本でも治療を促して、薬物を使っても社会に戻れるような仕組みづくりをしたほうが、結果的に再犯率や薬物の使用率が低くなるかもしれませんね。
[Hiragana]
今日(きょう)は少し(すこし)センシティブな話題(わだい)について。今月(こんげつ)の頭(あたま)に、日本人(にほんじん)の俳優(はいゆう)が、大麻(たいま)(マリファナ)を持っ(もっ)ていたために逮捕(たいほ)されて、とても大きな(おおきな)ニュースになりました。日本(にほん)は薬物(やくぶつ)への対応(たいおう)がとても厳しい(きびしい)んです。今回(こんかい)は、世界(せかい)と日本(にほん)の、薬物(やくぶつ)に対する(たいする)対応(たいおう)の違い(ちがい)について、話そ(はなそ)うと思い(おもい)ます。
ほとんどの日本人(にほんじん)は、「ドラッグは、種類(しゅるい)にかかわらず全部(ぜんぶ)とても悪い(わるい)ものだ。絶対(ぜったい)に使っ(つかっ)てはいけない」と思っ(おもっ)ていると思い(おもい)ます。義務(ぎむ)教育(きょういく)で、薬物(やくぶつ)に関する(かんする)授業(じゅぎょう)を受け(うけ)たとき、そんなふうに教え(おしえ)られてきたからです。
また、日本(にほん)の警察(けいさつ)の対応(たいおう)もとても厳しい(きびしい)です。例えば(たとえば)、今回(こんかい)のように俳優(はいゆう)や有名人(ゆうめいじん)が逮捕(たいほ)されたとき。マスコミではとても大きく(おおきく)取り上げ(とりあげ)られるし、その刑罰(けいばつ)は、詐欺(さぎ)や強盗(ごうとう)と同じ(おなじ)くらい重い(おもい)んです。このように、日本(にほん)では薬物(やくぶつ)使用者(しようしゃ)を「犯罪者(はんざいしゃ)」として捉え(とらえ)ていることがわかります。
それに対し(たいし)て海外(かいがい)、特に(とくに)ヨーロッパでは、薬物(やくぶつ)使用者(しようしゃ)を「患者(かんじゃ)」として考え(かんがえ)、治療(ちりょう)を提供(ていきょう)する国(くに)が少なくない(すくなくない)ようです。例えば(たとえば)、ポルトガルでは、ドラッグを持っ(もっ)ている人(ひと)を法律(ほうりつ)で罰する(ばっする)ことをやめました。薬物(やくぶつ)使用者(しようしゃ)が一気に(いっきに)増える(ふえる)かと思いきや(おもいきや)、結果(けっか)はその逆(ぎゃく)でした。ヘロインが蔓延(まんえん)していて、注射器(ちゅうしゃき)の使い回し(つかいまわし)によるHIV患者(かんじゃ)が急増(きゅうぞう)していたポルトガルでは、その政策(せいさく)から10年(ねん)で、なんとその患者(かんじゃ)数(すう)が1/10になったんだそう。 データを見る(みる)と、ヨーロッパでは、刑事罰(けいじばつ)で薬物(やくぶつ)使用(しよう)を抑え込も(おさえこも)うとするよりも、治療(ちりょう)を促す(うながす)ほうが、再犯(さいはん)率(りつ)や失業率(しつぎょうりつ)、HIVなどの感染症(かんせんしょう)への罹患(りかん)率(りつ)が低く(ひくく)なるようです。
もしかしたら、日本(にほん)でも治療(ちりょう)を促し(うながし)て、薬物(やくぶつ)を使っ(つかっ)ても社会(しゃかい)に戻(もど)れるような仕組み(しくみ)づくりをしたほうが、結果的(けっかてき)に再犯(さいはん)率(りつ)や薬物(やくぶつ)の使用(しよう)率(りつ)が低く(ひくく)なるかもしれませんね。
[English]
Today’s topic is a little sensitive. Earlier this month, a Japanese actor was arrested for possessing marijuana, and it became very big news. Japan is very strict about drugs. Today, I would like to talk about the difference between how Japan and some parts of the world deal with drugs.
I think most of Japanese people think that all drugs are very bad regardless of their type and we should never use them. I think the reason is we have been taught that in school.
Also, the policing of drugs in Japan is very strict. For example, when an actor or celebrity is arrested like this time, the media picks it up as very big news, and the punishment given is as heavy as fraud and robbery. This shows that drug users are regarded as "criminals" in Japan.
On the other hand, overseas, especially in Europe, it seems that some countries consider drug users as "patients" and provide them appropriate treatment. In Portugal, for example, the government has stopped punishing drug users as criminal offenders. As a result, you may think that the number of drug users would dramatically increase, but the opposite happened. Before the reforms, heroin was widespread and the number of HIV patients was increasing rapidly due to the reuse of syringes. After the reforms, drug usage dropped and the number of HIV patients was reduced to one-tenth of its former number within 10 years.
Data shows that in Europe recidivism, unemployment, and the prevalence of HIV and other infectious diseases are lower when medical treatment instead of criminal punishment is encouraged. Perhaps, if we promote treatment and create a system in Japan that allows drug users to be reintegrated into society, the usage and recidivism rates may decrease in this country as well.